無痛整体 一心庵 の日記
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それでも遺伝子組み換え大豆を食べますか?
2012.11.14
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東京の大学生の竹本さんから遺伝子組み換えに関しての寄稿を頂きましたので承諾を得て掲載します。
引用開始
現在、日本中の映画館で上映され、大きな反響を呼んでいるドキュメンタリー映画があります。 タイトルは『モンサントの不自然な食べもの』(原題 “Le monde selon Monsanto”)。
2008年の製作以来、すでに世界42ヶ国で公開されています。 世界の遺伝子組み換え作物市場の90%を占める、アメリカの巨大アグロバイオ企業「モンサント社」の実態を暴き、遺伝子組み換え種子を扱う企業が、世界の食料品市場を独占する危険性を知らしめました。
日本がアメリカを含む国々とTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を検討しているタイミングに合わせるように、今回日本でも公開が決まりました。
・『モンサントと不自然な食べもの』映画ホームページ
http://www.uplink.co.jp/monsanto/
この映画の冒頭、アメリカの広大な遺伝子組み換え大豆の畑が映し出されます。
“ラウンドアップ”という、モンサント社製の除草剤に耐性をもつよう遺伝子操作された大豆は、はるばるここ日本にも輸入されています。アメリカにおいて、遺伝子組み換え大豆は、全生産量の9割以上を占めるといわれ、日本は最大の輸出先です。
輸入された大豆は醤油や大豆油、スナック菓子など加工品に利用され、私たちの食卓に上っています。
日本に遺伝子組み換え食品が出回っていると聞いて、驚かれた方もいるかもしれません。
日本では遺伝子組み換え作物を農家が(一部実験を除いて)栽培することは行われていませんが、大豆や菜種など8作物189品種の輸入・販売は認められており、これらは食料品の原料となるほかに家畜の飼料に利用されます。
日本において、遺伝子組み換え作物は、食料品の原料として使用する場合、原則表記しなければならないことになっています。
しかしこれには逃げ道があり、「原材料の重量に占める割合の高い原材料の上位3位までのもので、かつ、原材料の重量に占める割合が5%以上のもの」のみが、遺伝子組み換えの場合はそのことを表示しなければならないのです。
つまり、食品の中に遺伝子組み換え原料が含まれていても、少しの量であれば表示する必要がないのです。
また醤油など発酵食品や植物油は、その中に原料のDNAやたんぱく質が検出されないという理由で表示を免れています。
そもそも、遺伝子組み換え食品がこれほどまでに危険視される大きな理由の一つに、遺伝子組み換え食品が人体にどんな害を与えるか計り知れないことがあります。
モンサント社をはじめとする企業側は、人体に直ちに影響を与えるわけではないという実験結果を根拠に(モンサント社の実験結果はねつ造を疑われていますが)安全性を謳っていますが、長年にわたって食べ続けた影響は“わからない”のです。
しかし今年の9月にフランスの研究チームが、ネズミの寿命にあたる2年間にわたって遺伝子組み換えトウモロコシを与える実験を行い、がんが認められたと発表したことで、一層遺伝子組み換え食品への警戒が増しています。
遺伝子組み換え食品は、いま猛烈な勢いで世界中に広まっています。
企業側は、これを“食糧危機を救う有効な手段”としてとらえているといいます。しかし人体と環境への影響が計り知れない以上、あまりにも乱暴な手段といえるでしょう。
私たち日本人も、遺伝子組み換え食品が抱えているリスクのことを「知らなかった」では済まされないのです。安いからと、遺伝子組み換え原料を使った食品を食べ続けることが、強欲な企業の懐を肥やし、世界中の貴重な種と人間の健康を危機に晒すことに繋がる―そのことを知ったうえで、何を買い、何を食べるかを選択しなければなりません。
参考
・消費者庁『食品表示をめぐる主要な論点』…日本における食品表示の規則が説明されています。
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin679_02.pdf
・厚生労働省『安全性審査の手続を経た旨の公表がなされた遺伝子組換え食品及び添加物一覧…日本で認可されている遺伝子組み換え作物の一覧です。
http://www.mhlw.go.jp/topics/idenshi/dl/list.pdf
・日本モンサント社“よくある質問と回答”
http://www.monsanto.co.jp/question/
・遺伝子組み換え食品、またモンサント社に関わる情報は、こちらのサイトが参考になります。遺伝子組み換え食品について多くの著書がある、安田節子氏がQ&A方式で説明されています。
http://www.yasudasetsuko.com/gmo/faq.htm